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人妻で可愛いとは思ってた
入り口の一枚目のドアを開け彼女を先に中へ入ってもらうようにすると、ちょっと照れたように「あ、ありがとう…」と答えた。レディーファーストを心掛ける俺は自然と二枚目のドアも同様に開けて彼女を店の中へ入れる。
店内に入るや直ぐにウェイトレスが「二人様ですか?」とお決まりの台詞で尋ねてきたから、そうだと答え「おタバコはお吸いになられますか?」と、これまたお決まりに聞いてくるから、俺は「俺は吸わないけど、ひとみちゃんは?」と尋ねると「私も吸わないよ~」とニコニコと答えた。
そして禁煙席の窓際の角の席に案内されて、彼女をソファー席に座らせ俺はイスに座った。ウェイトレスがメニューと水とお絞りを置いて「お決まりになられましたら、そちらのボタンを押して呼んで下さい」と言って去った。
取り敢えず俺はお絞りを取り出し手を拭き、コップの水を一口飲むと、メニューは広げず、「ホント久しぶりだよねぇ~何年ぶり?」と頭の中で無い知恵絞りながら考えてると「えっと…19年振り…かな?」と彼女が答えた。
「そっかぁ19年かぁ…元気だった?」「うん♪これと言って大病も患うことも無くね♪Sくんは?」俺と会ってから笑みを絶やさず話してくれる。それは多分無意識のうちのことだと思った。
「俺も元気だったよ…それにしても相変わらず可愛♪ってか、凄い美人になったよね!」と、正直な気持ちを伝えてみた。
すると「え~!そう?相変わらずって昔はそんな事言ってくれなかったじゃん!」と、痛いところを突っ込まれてしまった。
確かに昔から彼女は可愛かった。「あ、いやいや、可愛いとは言わなかったけど、マジで可愛いとは思ってたよ…ただ、周りの目が気になって照れ臭くて口に出せなかったんだよ…」そう言うと「ホントに!?」と、瞳をキラキラと輝せながらテーブルに少し身を乗り出させ聞いて来た。
その時、胸元が少し広がり、さっき感じたかなりの一品であろう胸の谷間がチラッと見えて目のやり場に困ってしまった。
そんな俺の視線を感じたのかどうかわからないが、すっと元位置に座りなおした彼女の顔がまともに見れず、話題を変えるべくメニューを広げ「さぁて、ナニを食べようかなぁ~」とワザとらしく言うと「私パスタにしよう♪」と早々と彼女は決まったようだった。俺も急いで決めて注文した。
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